動画に字幕やワイプを入れてみる 後編

後編ではレイヤーを駆使して、ついに字幕やワイプを動画に入れます。

ここではAviUtlの「拡張編集」という機能を使います。


step 1

拡張編集のウィンドウを開きます。

メニューバーより「設定」→「拡張編集の設定」を選択してください。

動画が表示されているウィンドウとは別に新しいウィンドウが出てきました。このウィンドウ上で拡張編集の設定を行います。

赤い四角で囲まれた部分の説明をします。

1は目盛幅を調整する部分です。ドラッグで調整できます。薄い青が右に行けば行くほど目盛幅が細かくなります。厳密な作業をする場合は目盛幅を細くとって、おおまかな作業をする場合は目盛幅を大きく取ると便利です。

2はレイヤーの名前を示しています。(レイヤーについてはpart5を参照。)下に行けば行くほど手前のレイヤーになります。なおレイヤーの名前をクリックするとそのレイヤーは非表示になります。(再びクリックすると元に戻ります。)

3は現在ウィンドウに表示されているシーンのフレームの位置を示しています。シークバー上のスライダーよりも精度が高いので、シーンを切り取る際にもこちらを使うことを推奨いたします。

step 2

拡張編集に動画を取り込みます。

レイヤー上で右クリックをし、「メディアオブジェクトの追加」→「動画ファイル」を選択してください。

新たにウィンドウが登場します。このウィンドウでメディアオブジェクト(この場合は動画ファイル)の設定をします。

まずは「参照ファイル」を選択してください。

ここではワイプとして入れたい動画を選択します。素材ファイルを使う場合は「movie02.avi」を選択してください。

メディアオブジェクトの設定をします。

「X」と「Y」はメディアオブジェクトの座標を示しています。軸のとり方は動画の左上を原点として、X軸は右側が正でY軸は下側が正となっています。

「拡大率」は100%を元のサイズとして、ディアオブジェクトの大きさを%で指定します。

それぞれの値はシークバーを動かしたり、矢印ボタンをクリックしたり、数字上でクリックして数値を打ち込んでも設定できます。

また、オブジェクトの座標に関しては、動画ウィンドウ上に表示されているオブジェクトをドラッグすることでも調整することができます。

数値をいじったところ、上記のようにワイプが埋め込まれました。

step 3

このままでは少々不自然なので、縁取りをしてワイプっぽくします。

再びメディアオブジェクトの設定をします。

ちなみにこのウィンドウは右上の☓を押せば消えますが、拡張編集のタイムラインにあるメディアオブジェクトをダブルクリックすれば再び表示されます。

右上の「+」をクリックして「縁取り」を選択してください。

メディアオブジェクトの設定ウィンドウに縁取りの設定メニューが追加されました。

「サイズ」は縁の幅を示しており、「ぼかし」は大きくすればするほど縁のまわりがぼやけます。動画が表示されているウィンドウを見ながら適当な値に設定してください。

さらに「縁色の設定」で縁の色を設定できます。

今回は「縁色」を「緑色」に設定しました。

こんな感じのワイプができました。(動画の拡大率を少し小さくしました。)

step 4

テキスト(字幕)をいれます。

「Layer2」上で右クリックし、「オディアオブジェクトの追加」→「テキスト」を選択してください。

メディアオブジェクトは動画や音声であれば縮めることはできても伸ばすことはできませんが、テキストや画像の場合は任意の長さに設定できます。

拡張編集のタイムライン上にあるオブジェクトの端をドラッグすることで調整できます。

メディアオブジェクトの設定をします。

赤い四角で囲まれた部分でテキストの設定をすることができます。今回は上記のように設定をしました。

さらに動画の場合の同様にして、テキストの位置や拡大率をうまく調整してください。

step 5

図形とテキストを組み合わせる。

「Layer3」上で右クリックし「メディアオブジェクトの追加」→「図形」を選択してください。

メディアオブジェクトの設定をします。

「縦横比」は図形の縦と横の比率を設定します。この値が正の値なら縦長、負の値なら横長になります。

「図形の種類」から図形の形を選択できます。今回は長方形を選択しました。

「色の設定」から図形の色を選択できます。今回は白を選択しました。

さらにstep4と同様にして、Layer4に新しくテキストを追加してください。

図形とテキストの座標をうまく合わせることで、図形の上にテキストが表示されると思います。

では、図形のレイヤーをテキストの手前に設定するとどうなるでしょうか。

拡張編集のタイムライン上で、図形のオブジェクトをドラッグして「Layer5」におきます。

すると、テキストが見えなくなりました。

これは前述したように、AviUtlの拡張編集ではレイヤーが下に行けば行くほど手前側に重なります。よって、図形の裏側に置かれたテキストが見えなくなったということです。

step 6

おまけ(ニコニコのコメントのような字幕をいれます。)

拡張編集のライムライン上の一番手前のレイヤーにテキストを追加します。

テキストのメディアオブジェクトの設定画面の「X」をクリックして「直線運動」を選択してください。これと同時に「Y」も直線運動に設定されます。

「X」「Y」の左側の値が直線運動の初期座標、右側の値が直線運動の最後の座標を示しています。初期座標はテキストが画面の右側に完全に隠れるように設定し、最後の座標はテキストが画面の左側に完全に隠れるように設定すると、ニコニコ動画のコメントのようにテキストが右から左へ流れていきます。

なお、流れる速さは拡張編集のタイムライン上のオブジェクトの長さによってきまるので、早く流したい場合はオブジェクトを短く設定してください。

メニューバーより「表示」→「再生ウィンドウの表示」で動画をプレビューすることができます。

step 7

動画をレンダリングします。

メニューバーより「ファイル」→「AVI出力」を選択してください。

任意の名前をつけて保存してください。

なお今回は無圧縮で出力しますが、動画のサイズが大きくなるときは圧縮したほうが良い場合があります。動画の圧縮についてはまた別の記事で説明しようと思います。

またこの記事では書きませんでしたが、メディアオブジェクトとして音楽ファイルや画像ファイルを拡張編集に入れることもできます。

今回の工程は以上です。お疲れ様でした。

完成した見本動画はまだアップロードが完了してないので未掲載ですが、いずれ公開しようと思いますので、しばらくお待ちください。

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先日、「記事の更新待ってるよー」といったメッセージを直接頂きました。この場をお借りして、記事を見てくださっている方にお礼を申し上げ、更新を待たせてしまっている方に謝罪を申し上げようと思います。ありがとうごめんなさい。

それではまた会う日まで、さようなら。

Billy




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